【いつでもレストラン】ビーフカレー編 特製ビーフカレー 誕生秘話
明治のはじめに日本に伝わって以来、国民食となったカレーライス。日本のゴルフと国民食カレーライスの歴史も100年を超えています。オーダーを取って提供するまでの待ち時間が少なく、スプーンで食べやすいカレーライスはゴルフ場クラブハウスレストランの昼食ですぐに人気のメニューとなりました。
昭和35年に兵庫県三田市にオープンした有馬カンツリー倶楽部。60年を超える歴史を持つゴルフ場には、歴代シェフ達が半世紀以上にわたって受け継いできた「特製ビーフカレー」があります。
このビーフカレーのレシピを考案したのが有馬カンツリー倶楽部のクラブハウスレストラン初代料理長である、西岡料理長。ゴルフ場で料理長となる前は、神戸の旧オリエンタルホテルの厨房で従事されていました。
有馬カンツリー倶楽部のビーフカレーは、旧オリエンタルホテルのレシピをベースとして受け継がれているのです。
神戸にオリエンタルホテルができたのは明治維新後まもない1870年、フランス人のルイ・べギューによって開業されました。オープン当時から、ホテルのレストランで振る舞われる料理は舌の肥えた外国人に評判で、日本のことを伝える当時の新聞記事にもこの旧オリエンタルホテルの料理のことが掲載されるほどだったそうです。
旧オリエンタルホテルのカレーの特徴は「ダブルオニオンカレー」。玉ネギのみじん切りのソテーとスライスして揚げたフライドオニオンという2種類の下ごしらえした玉ネギを使うことから「ダブルオニオンカレー」と呼ばれていたそうです。
この2種類の下ごしらえした玉ねぎを使用する製法をベースに、西岡料理長がさらにアレンジを加えたのが、有馬カンツリー倶楽部のビーフカレーです。
オープン当初よりメニューにあったビーフカレーライスは瞬く間に人気メニューとなりました。
今、6代目料理長の花森料理長が有馬カンツリー倶楽部のクラブハウスレストランを執り仕切っています。西岡料理長が考案したカレーレシピは残されており、現在クラブハウスレストランで出されるビーフカレーは、当時の製法を忠実に再現して作られているため、当時の味がそのまま現代にも受け継がれています。
「確かに先代からレシピは受け継ぎましたが、レシピだけでは味はつくれません。特にクラッシックなカレーには大きな特徴がある訳ではないので、ごまかしがきかない。味の違いはとても繊細で、伝統の味を守るためには食材の微妙なバランスをその日のお肉や野菜の状態に合わせて変えていく必要があるんです。会員のお客さまに納得していただくのは簡単ではなかったですね」と花森料理長は有馬カンツリー倶楽部の料理長に就任した当時を振り返っています。
60年間受け継がれ、愛され続けてきた「特製ビーフカレー」をゴルフ場に来なくても、もっと沢山の方に食べて頂きたい。その想いから、レストランでお出ししている手作りの「特製ビーフカレー」の美味しさをそのままご自宅でも召し上がっていただけるように冷凍食品化致しました。普段ゴルフをしない方にもぜひ、有馬カンツリー倶楽部が自信を持ってお作りする、「特製ビーフカレー」を是非ご賞味くださいませ。